スクワットが「キングオブエクササイズ」と呼ばれる理由

「運動が大切なのは分かっているけれど、何から始めたらいいか分からない」
そんな声を多く耳にします。

私たちの身体は本来、「動くこと」を前提に作られています。 しかし現代の生活では、長時間座り、同じ姿勢を続け、身体を大きく使う機会が圧倒的に減っています。 その結果、痛みや不調が出てから初めて、自分の身体に意識が向く方も少なくありません。

そこで、まず取り入れてほしい運動がスクワットです。
スクワットは、数あるトレーニングの中でも「キングオブエクササイズ」と呼ばれています。

その理由は、単に筋力を鍛えられるからではありません。
下半身・体幹・足部・バランス感覚・脳の働きまで同時に関与し、 「鍛える・整える・感じる」を一度に行える、極めて本質的な動作だからです。

スクワットのメリット

① 大筋群を動かし、体温・代謝を高める

スクワットでは、太ももやお尻といった身体の中でも特に大きな筋肉が同時に働きます。 大筋群が動くことでエネルギー消費が増え、体温が上がりやすくなります。

• ・ダイエット効果
• ・冷えの改善
• ・疲れにくい身体づくり

「運動しても体が温まらない」「冷えやすい」と感じる方ほど、 スクワットは非常に効果的な運動です。

② 足裏感覚が高まり、身体の安定感が増す

スクワットでは、母趾球・小趾球・踵の3点で地面を踏みしめます。 足裏は、身体と脳をつなぐ重要な感覚センサーです。

• ・姿勢の安定
• ・歩行の安定感向上
• ・転倒予防

足裏が安定すると、足首・膝・股関節・体幹まで自然に連動し、 無駄の少ない動きが作られていきます。

③ 「しゃがむ・立つ」動作が脳を目覚めさせる

スクワットの上下動は、頭の位置が変化することで 前庭感覚（バランス感覚）を刺激します。

デスクワーク中心の生活で使われにくくなった感覚を呼び覚まし、 動きやすく、安定した身体づくりにつながります。

正しく行うためのスクワットのポイント

• 母趾球・小趾球・踵の3点でしっかり立つ
• 3点を踏みしめたまま、地面に向かって真っ直ぐ下ろす
• 目線は前、頭が下がりすぎないように
• お腹を軽く引き込み、腰が抜けないように

一般的には「膝を前に出さない」「お尻を引く」と言われますが、 地面を踏む意識を大切にすることで、自然と安定したスクワット姿勢が作られます。

太ももが床と平行になるのが理想ですが、無理に下げる必要はありません。 踏む感覚を保てる範囲で十分です。

回数と継続の目安

1セット10〜15回 × 1日3セットを目標に行いましょう。

回数をこなすことよりも、 「踏めているか」「身体の感覚を感じられているか」を大切にしてください。

スクワットは、身体と向き合うための最初の一歩です。